日本映画界において、観客の涙腺を激しく刺激する邦画の泣ける恋愛映画は常に独自の存在感を放っています。とりわけ近年際立っているのが、泣ける恋愛映画の中でも実話を原案にした骨太な人間ドラマの台頭です。
不治の病や予期せぬ運命のいたずらに翻弄されながらも、限られた時間の中でひたむきに愛を紡いだ実在のカップルの記録は、フィクションでは決して生み出せない凄まじい説得力を持っています。主演俳優陣の徹底した役作りと、四季の移ろいを美しく切り取ったロケーション撮影が合わさり、劇場のあちこちからすすり泣きが漏れる光景は今や日常茶飯事です。
一方で、思わず声が出そうになるほどの甘酸っぱさを凝縮した胸キュン恋愛映画も着実な進化を遂げています。単なる少女漫画の実写化にとどまらず、主人公たちのアイデンティティの葛藤や将来への不安を丁寧に描写することで、大人の鑑賞にも十分に耐えうる奥行きのある青春ストーリーへと昇華されています。