「太らない体質=無条件に健康的で羨ましい」という認識は、現代の予防医学において危険な誤解とされています。外見が痩せていても、体内環境が深刻な不健康状態に陥っている「サルコペニア肥満」や「隠れ肥満(TOFI:Thin Outside, Fat Inside)」の該当者が急増しているためです。
特に日本人を含む東アジア人は、皮下脂肪を蓄積するキャパシティが欧米人に比べて遺伝的に小さく、余剰カロリーが早い段階で肝臓や骨格筋、膵臓周囲に「異所性脂肪」として蓄積しやすい特徴を持っています。順天堂大学大学院などの研究グループによる若年痩せ型女性を対象とした調査では、BMIが18.5未満の痩せ型でありながら、約3人に1人が耐糖能異常(糖尿病予備群)やインスリン抵抗性を示している実態が明らかになっています。
筋肉量が少なく基礎代謝が落ちている状態でジャンクフードや高GI食品を過食し続けると、体重計の数字は増えなくても、血管内皮障害、中性脂肪値の跳ね上がり、将来的な骨粗鬆症や動脈硬化のリスクが急上昇します。「太らないから何をどれだけ食べても平気」という食生活は、決して強靭な体質ではなく、将来の代謝破綻を招くリスクを孕んでいます。