コンビニのバッテリー事情には、ネット上で誤って広まっている情報や、現場でしか気づけない技術的な落とし穴がいくつか存在します。
第1の誤解は、「購入したモバイルバッテリーは満タン(100%)まで充電されている」という思い込みです。先述の通り、店頭販売品はリチウムイオン電池の経年劣化や安全上の流通規格(国際航空運送協会などの輸送ガイドライン)に準拠するため、充放電深度70%前後で保管されています。さらに店頭で長期間陳列されていたデッドストックの場合、自己放電によって残量が半分近くまで低下しているケースも確認されています。最新の大型スマートフォン(バッテリー容量4,500mAh〜5,000mAh級)に繋いだ場合、1回分のフル充電に届かないまま空になる可能性がある点には注意が必要です。
第2の盲点は、「急速充電規格(USB PD)の非対応問題」です。店頭で2,000円前後の最廉価クラスとして売られている製品や、旧世代のレンタル機の一部は、出力が「5V/2A(10W)」や「5V/1.5A」にとどまります。現在のスマートフォンが要求する20W〜30Wクラスの超急速充電に慣れていると、「繋ぎながら動画を見たりマップを開いていたら、給電が消費に追いつかず残量が減っていった」という現場特有の出力不足に直面します。
第3に、鉄道会社系や駅ナカで勢力を伸ばす「充レン(Ju-Ren)」と「ChargeSPOT」の互換性がない点です。設置場所としてファミマや一部のセブンに充レンが置かれているケースがありますが、ChargeSPOTで引き出したバッテリーを充レンのスタンドに返却することはできません。筐体デザインが似ているため混同しがちですが、運営会社も返却スロットの形状も完全に別物です。自分がどのサービスから借りたのかを認識しておかないと、返却スタンドの前で途方に暮れることになります。