音楽メディアやSNSで「大貫妙子の若い頃」が検索される際、多くの人が息をのむのが、1970年代当時のレコードジャケットやライブ写真に残る圧倒的な透明感です。1973年に山下達郎、村松邦男らと結成した伝説のバンド「シュガー・ベイブ」時代、彼女は飾り気のないTシャツやジーンズ、無造作なストレートヘアという、極めてシンプルなスタイルでステージに立っていました。
当時の日本の音楽シーンは、華美な衣装と計算された笑顔を振りまく歌謡曲の女性アイドルが全盛を誇っていた時代です。そうした商業主義的な型に一切染まらず、都会的でありながらどこか憂いを帯びたアンニュイな表情、凛とした眼差しを向けた大貫妙子の存在は、まさに異色でした。過剰なメイクに頼らない生来の整った顔立ちと、自らの言葉とメロディで表現する知性が融合し、当時のカルチャーシーンにおいて唯一無二のカリスマ性を放っていたのです。
特に1977年に発表されたソロ2ndアルバム『SUNSHOWER(サンシャワー)』のジャケット写真は、彼女の美しさを語る上で欠かせないマスターピースとなっています。木漏れ日の中でカメラを自然に見つめるその姿は、ストリートスナップのような素朴さを持ちながら、半世紀後の現代においても見劣りしない普遍的なモダンさを誇ります。海外の音楽ファンからも「まるで映画のワンシーンのようなエレガンス」「70年代の東京の空気をそのまま纏っている」と絶賛されており、ビジュアル面でもシティポップの絶対的ミューズとして定着しています。