サロンの現場で非常に多く寄せられるのが、「トイプードルのアフロカット」と「ビションフリーゼのビションカット(アフロ)」の違いに関する疑問です。一見するとどちらも丸い頭に見えますが、骨格構造と毛質によってカットの構築理論は根本から異なります。
ビションフリーゼのアフロは、頭部だけでなく首回りや胸元の毛まで一体化させて大きな卵型・球体を作り上げる伝統的な「パウダースフォール・スタイル」がベースです。硬いオーバーコートと細かなアンダーコートが密集しているため、スプレーで固めずとも自立する圧倒的なボリューム感が生まれます。
一方、トイプードルはシングルコートで頭部とマズルが長いため、ビションフリーゼとまったく同じ切り方をすると重心が下がり、面長に見えてしまう傾向があります。そのため、トリマーは耳の付け根の位置を高く見せるよう錯視を利用し、頭頂部と耳を繋げて丸く見せる「マッシュルームアフロ」や、口元を強調する「テディ風アフロ」といった工夫を施します。
現場のトリマーからは「SNSのビションフリーゼの写真を持って『トイプードルをこれと全く同じにしてほしい』と希望されるお客様が多いのですが、被毛の立ち上がりと骨格が異なるため、プードルの毛質に合わせた輪郭調整が必要になる」という声が聞かれます。愛犬本来の骨格と毛質を活かしたアプローチこそが、美しい仕上がりの絶対条件です。