「静かな海が汚されるのではないか」。地元で長年漁業を営む男性(67)は、不安を隠さない。港の拡張工事による潮流の変化や、工事中の騒音が浅場の生態系に与える影響は未知数だ。特に特産の海藻類や地魚への被害を懸念する声は根強い。
その一方で、若者を中心とした賛成派からは「仕事が増えれば、島を出て行った子どもたちが戻ってくるかもしれない」という期待も聞かれる。過疎化が進む地域にとって、数千人規模の雇用創出が見込まれるこのプロジェクトは、文字通り「最後の蜘蛛の糸」のようにも映る。賛否は真っ二つに割れているのが現状だ。