毎週、数千組を超える応募の中から本選に辿り着けるのは、わずか20組程度。この途方案もない倍率を突破するには、単に歌が上手いだけでは不十分だ。番組の予選会を担当するディレクター陣が注目しているのは、「選曲理由」と「歌唱に込められたエピソード」の密接な結びつきである。一般的な歌唱コンテストであれば完璧な音程や声量が評価の大部分を占めるが、ここでは「なぜ今、この場所で、この曲を歌うのか」というストーリー性が何より重視される。
予選通過率を少しでも高めたいのであれば、自分の声質やキャラクターに無理に合わせるのではなく、人生のターニングポイントとなった一曲を選ぶべきだ。家族への感謝、故郷への思い、あるいは長年の夢。動機が明確であればあるほど、審査員の心に刺さる。審査員は1秒たりとも無駄にせず、応募書類の「選曲理由欄」と予選会での短い歌唱を一瞬で見極めている。歌い出しの数秒間でいかに自分らしさを提示できるかが、合否を分ける決定的な鍵となるのだ。