就職活動のエントリーシートや個人のプロフィールにおいて、なんくるないさー座右の銘の理由として挙げる人が後を絶ちません。なぜこの言葉は、これほどまでに現代人の心を惹きつけるのでしょうか。認知心理学および社会心理学のフレームワークを用いると、現代特有のストレス構造が見えてきます。
心理学には「統制の所在(Locus of Control)」という概念があります。結果の原因を自分の努力や能力に求める「内的統制」と、運や他者など外部環境に求める「外的統制」のバランスです。現代社会は自己責任論が過剰に叫ばれ、結果が出ないことへの過度な自責(内的統制の暴走)から精神を病むケースが頻発しています。一方で、すべてを運のせいにする「思考停止(回避的コーピング)」では状況が好転しません。
「まくとぅそーけー なんくるないさー」は、この2つのバランスを極めて美しく調停します。「誠を尽くすこと」で自分のコントロール可能な領域に全力を注ぎ、「結果」というコントロール不可能な領域は潔く天に委ねる。この認知の切り替えこそが、過剰なプレッシャーから精神を守る「内省的レジリエンス(精神的回復力)」の極致と言えます。
【プロの結論】座右の銘に「向いている人」と「注意すべき人」の判断基準
この言葉を自らの指針として胸に刻むにあたり、自身がどちらの心理状態にあるかを見極める客観的な基準を提示します。
- 深くおすすめできる人:
- 真面目すぎるあまり、結果が出ないときに自分を極限まで追い詰めてしまう人
- 全力を尽くしたプロジェクトの直前、不安で眠れなくなっているビジネスパーソン
- 不条理なトラブルの中でも、嘘をつかず実直に生き抜く覚悟を持ちたい人
- 使用に慎重になるべき人(誤用に注意):
- タスクや課題の期日を守らず、先延ばしの言い訳として「なんとかなる」と口にしがちな人
- 他者への配慮や準備を怠り、生じたトラブルの責任を運のせいにしやすい人
- 耳あたりの良い言葉だけで現実逃避を図り、具体的な改善行動を起こしていない人