警察庁が公表した最新の犯罪情勢統計によると、特殊詐欺の認知件数において警察官騙り詐欺とそれに付随する被害額は高水準を維持しています。犯行グループが仕掛ける第一波は、ほぼ例外なく「警察官を名乗る電話」から始まります。これがいわゆる事前調査と心理誘導を兼ねた「アポ電」です。
かつてのアポ電は、「あなたの口座から不正な出金があった」と告げて動揺を誘う単純な構図が主流でした。しかし、特殊詐欺の最新手口では、実在する警察署の刑事課や生活安全課の係長クラスの氏名を騙り、「犯行グループのアジトを摘発したところ、あなた名義の通帳と偽造カードが押収された」と、具体的かつ緊迫感のある状況を捏造して被害者を追い詰めます。
大手新聞各社が報じた偽警察官逮捕ニュースを分析すると、犯行グループは被害者に考える時間を与えないよう、通話を切らせずに拘束し続ける手法を徹底しています。受話器を握らせたまま自宅へ「受け子」や「出し子」と呼ばれる実行犯を向かわせ、電話口の指示役と連携して被害者の資産を一気に奪取するのです。こうしたアポ電対策として、防犯機能付き電話機の導入や常時留守番電話設定が推奨されているものの、固定電話を持たない若年層や単身世帯に対しても、携帯電話への直接着信による被害が急速に拡大しています。