シティ・オブ・ゴッド実話の闇と結末|モデルの現在と続編の全貌

シティ・オブ・ゴッド実話の闇と結末|モデルの現在と続編の全貌

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本作が放つ異常なまでの生々しさは、主要キャストのほとんどが演技経験のないスラム街出身の一般の子どもたち約200名を集めて結成されたワークショップから選ばれたというキャスティング手法に起因しています。フェルナンド・メイレレス監督と共同監督のカティア・ルンドは、台本を丸暗記させるのではなく、シチュエーションだけを与えて彼ら自身のスラングや身のこなしで即興演技をさせました。しかし、この革新的な試みは、映画の世界的成功の裏で重い影を落とすことになります。

公開から10年後の2013年に発表された追跡ドキュメンタリー映画『シティ・オブ・ゴッド 10年後(原題:Cidade de Deus - 10 Anos Depois)』では、華々しい脚光を浴びた少年たちの残酷な明暗が浮き彫りにされました。

主人公ブスカペを演じたアレクサンドレ・ロドリゲスは、本作を契機にプロの俳優への道を歩み始めたものの、ブラジル芸能界に根強く残る黒人俳優への役柄制限や経済的不況に直面。一時は生活費を稼ぐために配車サービスUberのドライバーや日雇い労働を余儀なくされていた事実を告白し、大きなニュースとなりました。その後、不屈の努力でキャリアを立て直し、2024年の続編ドラマで見事にブスカペ役へ復帰を果たした姿は多くのファンに勇気を与えています。

また、リトル・ゼを怪演したレアンドロ・フィルミノは俳優としての地位を確立し、数々の映画やドラマで活躍を続けています。さらにマネ・ガリーニャを演じたセウ・ジョルジは、世界的ミュージシャンとしての才能を開花させ、ウェス・アンダーソン監督作品『ライフ・アクアティック』への出演など国際的な成功を収めました。

一方で、映画のエンドロールの先で命を落とした少年たちも少なくありません。映画内で印象的な不良少年グループのリーダー格を演じた少年の一人は、映画の大ヒット後もスラムの生活から抜け出すことができず、数年後に本物の麻薬カルテルに関与して逮捕・投獄されました。さらに別の端役を演じた少年は、ライバル組織との抗争に巻き込まれ、若くして路上で命を落としています。「世界的な名作に出演したからといって、肌の色と貧困の軛(くびき)から自動的に解放されるわけではない」という厳しい現実を、彼らの足跡は雄弁に物語っています。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。