1983年に登場したザ・ボードビルデュオは、サンリオのデザイン史において極めて重要なターニングポイントとなったキャラクターです。当時の日本はアメリカ西海岸カルチャーやプレッピースタイル、カントリー調のライフスタイルがティーンの間で大流行していました。その空気感を巧みに捉え、19世紀末から20世紀初頭のアメリカで大衆に愛された舞台演芸「ボードビル(Vaudeville)」の華やかさと温もりをモチーフに誕生しました。
主人公のふたりには、綿密なキャラクター設定が施されています。
男の子のエディ(Eddie)は、ちょっぴりいたずら好きでおしゃれが大好きな少年です。サスペンダーパンツにストライプのジャケット、小粋に斜めにかぶったカンカン帽がトレードマーク。一方、女の子のエミィ(Emy)は、おしゃまで優しい心を持つ少女で、ふんわりとしたチェックのワンピースやリボンを上品に着こなします。ふたりは幼なじみであり、まるでお互いを引き立て合う舞台の相棒のように、常に息の合ったポージングでグッズの上に描かれました。
デザイナー陣が当時こだわったのは、「キャラクター臭さを抑えた、インテリアにもなじむクラシカルな色彩」でした。従来のパステル調ファンシーとは一線を画す、セピアブラウン、生成り(きなり)のアイボリー、落ち着いたバーガンディレッドを取り入れた配色は、少し背伸びをしたい女子児童だけでなく、当時の女子大生やOL層の心をも強く射抜くことになります。