拠点の統廃合や再編の嵐に直面するなか、当事者である東北村田製作所 郡山事業所の従業員と雇用動向はどうなっているのでしょうか。ネット上の口コミ(OpenWork、転職会議、各種SNS)やOB・現役社員の声から、現場のリアルな評判を検証しました。
まず待遇面において、東北村田製作所の年収と福利厚生は福島県内の製造業として間違いなく最上位クラスを維持しています。30代前半の製造オペレーター・技術職で年収500万円〜600万円前後、主任・係長クラスでは700万円超に達するケースも珍しくありません。親会社である村田製作所の強固な財務基盤に支えられ、各種手当(交代勤務手当、住宅補助、家族手当)や年間5ヶ月分前後の賞与実績は守られており、「待遇そのものに対する不満」は極めて少ないのが特徴です。
一方で、現場の士気や職場環境に関しては、以下の生々しい声が散見されます。
「郡山から本宮への通勤バスが出ているとはいえ、マイカー通勤を含め毎日の移動負担が増えた」(30代・製造現場)
「ソニー時代から培ってきた『自由闊達な開発気風』と、村田製作所の徹底した『数字と歩留まり管理の規律』の擦り合わせに、中堅ベテラン層ほど戸惑いがあった」(40代・技術系)
「電池事業の先行きに対する不安から、若手技術者のなかには半導体や車載電子部品など他社へ転職する動きも一部にあった」(20代・元社員)
希望退職の募集などの人員整理が断行された過去のフェーズを乗り越え、現在は「無理な整理解雇を行わず、定年退職の自然減と本宮への配置転換でバランスを取る」という雇用維持の方針が機能しています。給与水準や雇用保障に対する信頼は依然として厚いものの、勤務地変更に伴う生活リズムの再構築が現場オペレーターの大きな関心事となっています。