寄席に初めて足を運ぶ人が最も疑問に思うのが、チケットの買い方と入場料の仕組みです。新宿末廣亭の最大の特徴は、「原則として事前予約なしの当日券販売・全席自由席」という昔ながらの大衆演劇システムを貫いている点にあります。特別な記念興行や深夜寄席などの一部例外を除き、プレイガイドでの事前指定席予約は行われていません。観客は正面の木造窓口(切符売り場)で木戸銭(入場料)を支払い、そのまま入場します。
2026年の通常興行における入場料金は、一般が3,500円、シニア(65歳以上)が3,000円、学生が2,800円、小学生が1,800円に設定されています。都内の商業演劇や大規模コンサートが1万円を超えるケースが珍しくない現在において、約4時間から場合によっては昼夜通しで8時間近く一流の芸を堪能できるコストパフォーマンスは破格と言えます。
混雑状況に関して、正月の初席や五月・秋の「真打昇進披露興行」、当代の人気真打(春風亭一之輔、神田伯山など)が主任(トリ)を務める芝居では、開場(通常11時30分頃)の1時間以上前から末廣亭横の路地に長蛇の列が形成されます。満席となった場合は「立ち見」の案内が出され、入場制限がかかることもあるため、特定の花形出演者を狙う日は午前の早い時間帯に並ぶ計画性が求められます。