結論から申し上げますと、小岩井乳業の「ぬるチーズ」シリーズは販売中止になっていません。現在も同社の主力スプレッドチーズとして製造・出荷が続けられています。それにもかかわらず、SNSや検索窓で「販売中止」というワードが浮上し続ける背景には、食品流通における構造的な要因と消費者の認知ギャップが存在します。
最大の要因は、スーパーマーケットにおけるチルド売り場の棚割り(フェイシング)激化です。近年の乳製品売り場では、個包装の6Pチーズやスライスチーズ、大容量のピザ用シュレッドチーズが面積の大半を占めています。カップ型スプレッドチーズは棚の割り当てが1〜2列に限られることが多く、地域の小型スーパーやディスカウントドラッグストアでは、回転率の観点から定番棚から外されるケースが相次ぎました。愛用者が「いつも買っていた近所の店で見当たらない」と感じた体験が、ネット上で「販売終了」という憶測にすり替わって拡散されたのが実情です。
また、過去に行われたパッケージデザインのリニューアルや一部フレーバーの終売・統廃合も影響しています。かつて展開されていた限定フレーバー(ハーブ入りや特定のブレンドタイプなど)が店頭から姿を消した際、シリーズ全体が消えたと誤解した消費者が一定数存在したことも、噂の火種を大きくした要因の一つと言えます。