この言葉の変遷を象徴する最も有名な事例が、フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの小説『Notre-Dame de Paris(ノートルダム・ド・パリ)』の日本語訳題です。かつて日本では長年にわたり『ノートルダムのせむし男』という邦題で親しまれてきました。
しかし、1990年代にディズニーが同作をアニメーション映画化する際、主人公の造形や差別的表現への配慮からタイトルを『ノートルダムの鐘』へと変更。心優しい鐘つき男ノートルダムの鐘カジモドの物語として広く再認知されることになりました。
出版界における文学作品改訂経緯を辿ると、文庫本や児童書においても『ノートルダム・ド・パリ』や『ノートルダムの鐘』へのノートルダムのせむし男改題が進みました。現在では、作者の原題に忠実な『ノートルダム・ド・パリ』とするか、アニメ版で定着した『ノートルダムの鐘』とする表記が標準となっています。