吉沢亮が「顔だけの若手俳優」で終わらなかった最大の理由は、20代前半に味わった手痛い挫折と、そこからの執念深い芝居への向き合い方にあります。
初期の出演作を振り返ると、順風満帆に見えるキャリアの裏で厳しい現実に直面していたことが分かります。
吉沢亮の初期代表作とキャリアの分岐点
- 『サイン』(2011年):ダンスボーカルグループを題材にしたドラマで俳優デビュー。まだ初々しさが全面に出ていた時期。
- 『仮面ライダーフォーゼ』(2011〜2012年):朔田流星役。アクションと芝居の基礎を現場で徹底的に叩き込まれる。
- 『ぶっせん』(2013年):ドラマおよび舞台で単独初主演(田村正助役)。仏教専門学校を舞台にしたコメディ。
- 『水球ヤンキース』(2014年):三バカトリオの一人・加東慎介役。美形を崩した三枚目キャラを開拓。
- 『地獄先生ぬ〜べ〜』(2014年):木村克也役。学園モノの主要生徒として存在感を示す。
特に大きな転機となったのが2013年の主演舞台『ぶっせん』でした。主演を務めたものの、劇場には空席が目立ち、本人は悔しさで涙を流したと語っています。「自分の知名度や実力の無さでお客さんを呼べない」という強烈なプロフェッショナルとしての痛感と屈辱が、彼の俳優魂に火をつけました。
その後、映画『銀魂』の沖田総悟役で原作ファンを唸らせる再現度の高さを見せつけ、映画『リバーズ・エッジ』『キングダム』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。NHK大河ドラマ『青天を衝け』では主演・渋沢栄一役を演じきり、名実ともに国民的俳優へと昇華しました。