タモリの安産祈願伝説が本格的に熱を帯び始めたのは、1990年代から2000年代にかけてのことです。震源地となったのは、新宿スタジオアルタから31年半にわたって平日正午に生放送されていた国民的長寿番組『森田一義アワー 笑っていいとも!』でした。
番組にはフジテレビを代表する歴代の女性アナウンサーが担当として配属され、数多くの女性タレントや芸人がレギュラーやゲストとして出演していました。多忙を極める芸能界において、妊娠が判明した女性タレントたちが番組降板や産休に入る際、楽屋やスタジオ袖でタモリへ挨拶に訪れるのが通例となっていました。
その際、何気なく「元気な赤ちゃんを産んでね」とタモリが大きくなったお腹に優しく手を添えたタレントたちが、ことごとくトラブルのない安産で出産を終えたことがすべての始まりです。最初は楽屋内のささやかな雑談レベルだった話が、「あの人もタモリさんに触ってもらってスピード出産だったらしい」と瞬く間に業界内を駆け巡ることになりました。