結婚式当日は、新郎新婦自身がゲスト一人ひとりに直接お車代を手渡す時間は基本的にありません。そのため、「誰が」「どのタイミングで」「どのように渡すか」の導線を事前に完璧に設計しておく必要があります。
主賓や乾杯の発声者など、社会的地位の高いゲストや会社の上司へのお車代は、「新郎新婦の両親から披露宴開始前の挨拶時」に渡すのが最も格式の高い作法です。挙式前の控室や、披露宴会場のドアオープン直後、歓談が始まる前のタイミングを見計らい、親が挨拶とともに「本日はお忙しい中、ご列席いただきありがとうございます。新郎新婦より心ばかりのお車代を預かってまいりましたので、どうぞお納めください」と添えて、目立たないようスマートに手渡します。
一方、遠方から招いた友人や同僚へのお車代は、「受付での記帳時」に受付係から渡してもらうのが最も確実で混乱がありません。受付係には、名簿にあらかじめ「お車代あり」の印をつけておき、該当者が来訪した際に「新郎新婦から預かっております」と一言添えて袱紗(ふくさ)やトレイから渡してもらいます。この際、他のゲストにお車代の金額や有無が見えないよう、目立たない配慮を依頼しておくことが現場での摩擦を防ぐ秘訣です。