上腕三頭筋は単一の筋肉ではなく、起始と停止が異なる3つの筋頭から構成されています。この解剖学的な構造の違いを把握しないままトレーニングを行うと、特定の部位に刺激が偏り、バランスの良い立体的な腕のシルエットは作れません。
最も体積が大きく、腕の「厚み」を決定づけるのが長頭です。長頭は肩甲骨の関節下結節から始まっているため、上腕三頭筋の中で唯一「肩関節」をまたぐ二関節筋としての特徴を持っています。そのため、腕を頭上に持ち上げたオーバーヘッドポジションを作らなければ、長頭が完全にストレッチされず、十分な筋肥大刺激が入りません。
一方、外見上の「横の広がり」や腕を下ろした際のアウトラインを形成するのが外側頭です。そして、肘関節の安定性を支え、あらゆる伸展動作で常に活動する土台が内側頭です。外側頭と内側頭は単関節筋であるため、肘の曲げ伸ばし動作において肩関節の位置に関わらず一定のテンションがかかりますが、最大負荷を与える局面がそれぞれ異なります。