坊屋春道というキャラクターが遺した遺産は、喧嘩の強さだけにとどまりません。彼の放つ言葉の数々は、思春期の若者たちの心を打ち抜きました。
「カラスで結構じゃねーか。籠の中に閉じ込められてよ、飛ぶことも忘れちまう小鳥に比べりゃ、ずっとマシじゃねえか!」
このセリフに代表されるように、社会の枠組みや形式的な成功に囚われず、不器用でも己の翼で自由に飛ぶことを誇る姿勢は、読者に強い自己肯定感を与えました。
また、ファッションシーンへの影響も計り知れません。春道のトレードマークであるスカジャン(スーベニアジャケット)は、90年代の裏原宿カルチャーやアメカジブームと連動し、爆発的な大流行を巻き起こしました。作中で春道が着用したタイガー&ドラゴンや鷹の刺繍モデルは、TAILOR TOYO(テーラー東洋)やCROPPED HEADS(クロップドヘッズ)、REPAIR(リペア)といった実在ブランドのレプリカや公式コラボ商品としてリリースされ、プレミアム価格で取引される伝説のアイテムとなりました。