大森南朋の父親である麿赤兒(本名:大森宏)は、1943年生まれの俳優・舞踏家です。唐十郎が旗揚げした劇団「状況劇場」で怪優として名を馳せた後、1972年に前衛舞踏集団「大駱駝艦(だいらくだかん)」を旗揚げしました。全身に白塗りを施し、人間の根源的なエネルギーを肉体で表現する「Butoh(舞踏)」を世界へと知らしめたパイオニアとして、国内外の芸術界に巨大な足跡を残しています。
テレビドラマや映画における麿赤兒は、その鋭い眼光と規格外の風貌を活かした重鎮役や黒幕役、コミカルな怪人物まで幅広く演じ分け、名バイプレイヤーとして不動の地位を築いています。父親の麿赤兒の若い頃を知る演劇関係者の証言によると、「稽古場では鬼の形相で肉体を極限まで追い込む一方、私生活では独自の哲学を持ち、子どもたちに対しても理不尽な押し付けを決してしない人物だった」と語られています。