現地を訪れると実感するのが、一般回線を使った音声通話の劇的な減少です。中国工業情報化部などの通信利用実態データや現地報道によると、個人間の通信トラフィックの大部分はデータ通信に移行しており、音声通話の利用頻度は年々低下しています。
一般の電話番号にかかってくる着信の大半は、宅配便(快递)の配達連絡、フードデリバリー(外卖)の到着通知、あるいは銀行・不動産などのセールスや詐欺対策コールです。友人関係やビジネス上の日常的な連絡は、ほぼ100%「微信(WeChat / ウェイシン)」のチャットおよび音声通話・ボイスメッセージ(语音消息)で完結しています。
中国のビジネスパーソンを取材すると、「初対面で名刺交換をしても、その場でQRコードをスキャンして微信でつながるのが標準プロトコル。電話番号宛てに直接電話をかけるのは、緊急事態や初回の公式アプローチに限られる」という証言が一致して聞かれます。連絡先交換の第一選択肢が「電話番号」から「微信アカウント」へ完全に移行しているのが、現代の通信文化における最大の実態です。