税務面において、資本金額の決定は手元に残るキャッシュを直接左右する。特に意識すべきは「1,000万円」の壁だ。資本金が1,000万円未満で設立された法人は、設立当初の一定期間において消費税免税事業者の特例を受けられる場合がある。インボイス制度への対応で適格請求書発行事業者を選択しない場合、この免税メリットは創業期の資金繰りを劇的に助けてくれる。
さらに見落としがちなのが、国税庁管轄の法人税とは別に地方自治体へ納める法人住民税均等割だ。赤字であっても毎年発生するこの税金は、資本金等の額が1,000万円以下であれば最低限の税率(年約7万円程度)に抑えられる。無駄な固定費流出を防ぐためにも、特別な事情がない限り初期設定を1,000万円未満に抑える戦略が定石とされている。