近年、この地を訪れる動機は食の調達にとどまらない。重松清のベストセラーを原作とした映画『とんび』のロケ地として笠岡のノスタルジックな港町が脚光を浴びたことで、文化的な巡礼地としての側面が加わった。
港で古き良き昭和の情景に触れた旅人たちが、その足で立ち寄るのがこの干拓地だ。海と農業の現場が隣り合う笠岡の土地柄を体感する観光・アグリツーリズム産業の拠点として、道の駅は極めて自然な受け皿として機能している。畑を歩き、農産物を手にとり、食す。一連の体験そのものが、笠岡という街の輪郭を訪問者の五感に刻み込む。