直感と理性の関係性は、心理学の歴史において常に中心的なテーマであり続けてきた。スイスの精神科医カール・グスタフ・ユングは、人間の精神機能を「思考」「感情」「感覚」「直観」の4つに分類し、直観を「無意識の領域から湧き出る直接的な知覚」として位置づけた。ユングの視座において、理屈を超えた引き合いは個人の経験を超えた集合的無意識の共鳴でもあった。
一方、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンは、行動経済学の金字塔となった二重過程理論において、直感を「システム1(速い思考)」として再定義した。日本心理学会などの研究発表でも度々議論されるように、システム1は膨大な経験則を圧縮したヒューリスティクス(直感的判断)によって駆動する。つまり、説明のつかない「相性の良さ」とは、決して非論理的な妄想ではなく、蓄積された膨大な知覚データが一瞬で導き出した最適解に他ならない。