では、実際に刑務所でその食事を食べ続けた人々は、どのような感想を抱いているのでしょうか。長野刑務所に服役した経験を持つ実業家の堀江貴文氏は、自著やメディアインタビューでその実態を詳細に語っています。いわゆるホリエモン刑務所食事感想として知られる証言では、「味付けは決してまずくない。むしろ出汁がしっかり効いていて健康的」「規則正しい生活と計算された食事のおかげで、服役中に30キロ近く自然に健康的に痩せた」と振り返っています。
一方で、世間で囁かれる刑務所の食事まずい噂の真相についても、生々しい現場の実情が存在します。元受刑者らのブログや聞き取り調査によると、調理を担当する「炊場」の受刑者の技量によって、施設ごと、あるいは炊事係の世代交代によって味にばらつきが生じるケースがあります。また、温度管理の限界から「冷え切った魚の煮付け」「伸びきったうどん」が出されることも珍しくありません。
さらに、主食として毎日3食登場する麦飯に対しては、独自の工夫と葛藤があります。刑務所給食麦飯の理由は、単に白米より仕入れ値が安いという経済的理由だけではありません。精白米7に対して大麦3を混ぜることで、GI値の上昇を抑えて糖尿病を防ぎ、豊富な不溶性食物繊維によって便秘を予防するという医学的根拠に基づいています。しかし、外食やコンビニ弁当の濃い味付けに慣れきった入所初期の受刑者にとっては、独特のパサつきと薄味に耐えかね、「最初は砂を噛んでいるようだった」と吐露する者も少なくありません。