ネット上やSNSでは、喘息に関して時代遅れの思い込みや偏見が散見されます。正しい理解のために代表的な誤解を是正します。
誤解①:「吸入薬を使い続けると癖になり、身体に悪い」
これは最も危険な誤解の一つです。かつての発作止め吸入(短時間作用型β2刺激薬)の乱用は心臓への負担が懸念されましたが、現在の治療主流である吸入ステロイドはごく微量で局所(気道)にのみ作用するため、全身への副作用は極めて稀です。むしろ、自己判断で薬を中断することこそが重症化や気道のリモデリング(気管支の壁が硬く厚くなって元に戻らなくなる現象)を招きます。
誤解②:「喘息患者は激しい運動を避けて安静に過ごすべき」
過去には過度の安静が推奨された時代もありましたが、現代のガイドラインでは、適切な薬物治療でコントロールされている状態であれば、運動制限は原則不要とされています。清水宏保氏をはじめとするオリンピックメダリストの存在が、適切なコントロール下での運動が心肺機能の向上に寄与することを証明しています。