霊峰白山を御神体山として仰ぐ白山比咩神社は、悠久の歴史を誇る全国白山神社の総本宮です。主祭神として祀られているのは、日本神話において極めて異彩を放つ女神、菊理媛尊(くくりひめのみこと・白山比咩大神)、そして伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)の三柱です。
『日本書紀』の一書(あるふみ)において、黄泉の国で激しく対立した伊弉諾尊と伊弉冉尊の間に立ち、言葉を取り次いで和解へと導いたのが菊理媛尊でした。「くくり」の名は「括る(くくる)」に通じ、乱れた糸を手繰り寄せて一本に結び直す調停と調和の神として崇敬されています。単なる恋愛成就にとどまらず、こじれたビジネス上の契約、断絶した家族関係の修復、さらには人と人との良縁を強固に結ぶ由緒がここにあります。