翔んで埼玉のロケ地総まとめ!実は県外ばかりの真相と聖地巡礼マップ

翔んで埼玉のロケ地総まとめ!実は県外ばかりの真相と聖地巡礼マップ

翔んで埼玉のロケ地総まとめ!実は県外ばかりの真相と聖地巡礼マップを徹底追究! 知っておきたい トピックの裏側を凝縮して配信します。

映画公開当初、SNSやファンの間で大きな話題となったのが「埼玉を題材にした映画なのに、主要な撮影場所が群馬や栃木、茨城県ばかりではないか」というツッコミでした。しかし、このロケ地選定には映画制作における極めて現実的かつ美学的な理由が存在しています。

当時の特番インタビューや制作関係者の証言によると、監督の武内英樹氏が目指したのは「徹底したリアリズムに基づいた荒唐無稽さ」でした。原作が持つ1980年代少女マンガ特有の耽美で華美な世界観を実写化するには、一般的な現代日本の住宅街や近代ビル街ではトーンが噛み合いません。超名門校である白鵬堂学院を描くためには、本物の石造りの中世ヨーロッパの古城(群馬県・ロックハート城)や、重厚なロココ調の装飾を持つウェディングホール(群馬県・ロイヤルチェスター太田)がどうしても不可欠だったのです。

また、東京都と他県を隔てる「関所」のシーンでは、通行手形を厳格にチェックする物々しい時代劇風の砦が必要とされました。これを実写規模で安全かつ大規模に撮影できる施設として白羽の矢が立ったのが、栃木県日光市の「江戸ワンダーランド 日光江戸村」でした。埼玉県を「未開の秘境」「通行手形がなければ立ち入れない地」として極端にデフォルメして描写するにあたり、北関東各地の映画用オープンセットや歴史的施設が持つ空間的ポテンシャルが最大限に活用されたといえます。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。