世間一般において、雙葉学園といえば「白襟のセーラー服を身にまとった良家の子女が通うお嬢様校」というイメージが定着しています。しかし、在校生や保護者、教職員の証言から浮かび上がる雙葉中学校の校風・評判は、外見の華やかさとは対照的に、驚くほど地に足の着いた質実剛健なものです。
内部進学組と中学入試組の融和と人間関係
受験生家庭から頻繁に寄せられる懸念の一つに、「小学校からの内部進学組(内進生)と中学入試組(高進生・外進生)の間に壁があるのではないか」という疑問があります。取材や関係者の手記によると、入学直後の春合宿やクラス編成の工夫により、この懸念は杞憂に終わることが大半です。
内部生は学校の伝統や行事の作法を自然と教え、中学入試を突破してきた外部生は高い学習意欲で授業に活気をもたらします。互いの個性を認め合う風土が根付いており、部活動や文化祭実行委員会などを通じて強固な友情が築かれます。
カトリック系女子校の特徴と語学教育の伝統
カトリック系女子校の特徴として、毎朝の祈りや宗教の授業、奉仕活動(ボランティア活動)がカリキュラムに組み込まれています。これらは単なる形式ではなく、「徳においては純真に、義務においては堅固に(Simplicite dans la vertu, Constance dans le devoir)」という校訓を行動指針として内面化させるプロセスです。
さらに、創立以来の伝統であるフランス語教育は雙葉の大きなアイデンティティです。中学3年生から英語に加えてフランス語を必修として学び、高校では選択制で高度な講読や会話を習得します。英語・フランス語の複言語教育を通じて培われる複眼的な思考力と国際感覚は、国際機関やグローバル企業で活躍する雙葉出身有名人・OGを多数輩出する礎となっています。
主な卒業生には、アナウンサーの高橋真麻氏、弘中綾香氏をはじめ、作家の須賀敦子氏、女優のいとうあさこ氏、かたせ梨乃氏など、多方面で強烈なプロフェッショナリズムを発揮する女性が名を連ねています。「礼儀正しく上品でありながら、いざという時には腹が据わっている」という卒業生の気質は、まさに雙葉教育の結晶です。