和田アキ子さんの現在の健康と向き合う姿勢を理解する上で外せないのが、30代前半で直面した子宮頸がんの闘病歴です。
1981年、結婚直後の31歳のとき、極初期の子宮頸がんが発見されました。当時の医療技術や社会的認識において「がん」という宣告は今以上に重く、彼女は深い絶望を味わいました。何より子どもを望んでいた時期であったにもかかわらず、命を守るためには子宮全摘出以外の選択肢が残されていませんでした。
自著や特別番組のインタビューにおいて、彼女は「夫に対して『別れてほしい、子どもを産んであげられない』と泣きながら迫った」と述懐しています。それに対し、夫である飯塚浩司氏が「俺は子どもを作るために結婚したんじゃない、アコ(和田さん)と一緒に生きていくために結婚したんだ」と応えたエピソードは有名です。この過酷な試練を乗り越えた経験こそが、どんな疾患に直面しても前を向き、歌い続ける強靭なプロ意識のバックボーンとなっています。