ネット上の簡易解説サイトなどでは、「三角柱は四角柱を半分に割ったものだから、直方体の体積を半分にすればよい」という説明が散見されます。しかし、この解釈には大きな落とし穴が存在します。
確かに、底面が直角三角形である三角柱に限っては、合同な三角柱を2つ組み合わせることで直方体を作ることができます。しかし、底面が鋭角三角形や鈍角三角形、あるいは正三角形の場合、単純に直方体を半分に割った形にはなりません。この「直方体半分ルール」を鵜呑みにしていると、少し図形が傾いたり形状が変わったりした途端に手も足も出なくなります。
また、「底面」という名称そのものが生み出す誤解も深刻です。日常会話において「底」とは「一番下にある面」を意味します。しかし幾何学における柱体の底面とは、「向かい合っており、互いに平行で合同な2枚の面」を指します。三角柱がどのような角度で机の上に置かれていようと、側面である長方形が地面に接していようと、底面は「2枚の三角形」以外にあり得ません。「底にある面」ではなく「合同な平行面」と捉え直すことが、ネットの誤解から抜け出す唯一の論理的アプローチです。