米の旨味がどっしりと舌に乗る「純米酒」や醇酒タイプには、やはり同じ醸造のルーツを持つ発酵食品が抜群の威力を発揮する。味噌、醤油、酒粕、そしてチーズ。共通のアミノ酸構造を持つもの同士が出会った瞬間、口内には単なる足し算を超えた強烈な旨味のシナジーが生まれる。
ブルーチーズにほんの少しの蜂蜜を垂らし、温めた山廃仕込みの純米酒をひと口含む。濃厚な塩気と独特の青カビの癖を、酒の豊かな酸と乳酸系のコクが包み込み、甘やかな余韻へと昇華させる。伝統的な和食の枠組みに縛られる必要はまったくない。発酵という共通言語があれば、海を越えた食材同士が完璧な調和を奏でる。