映画館の暗闇で彼がスクリーンに映し出された瞬間、空気の湿度が変わる。そんな錯覚すら覚えるほど、安藤政信の存在感は際立っている。近年の映画や本格派テレビドラマにおける彼の演技は、まさに脂が乗り切った状態と言えるだろう。
単なる「イケメン実力派」の域はとうに脱している。癖のある屈折したキャラクターや、物語のキーを握る黒幕、あるいは哀愁を帯びた裏社会の人間まで、役柄に自らの身体を削るようにして入り込む。批評家たちからも「画面を掠い取る怪演」「作品の品格を一段引き上げる」と極めて高い評価が集まっており、オファーが途切れることはない。