伝説の司会者・久米ひろしの現在とマスメディアの黄昏に響く言葉

伝説の司会者・久米ひろしの現在とマスメディアの黄昏に響く言葉

話題沸騰中の 伝説の司会者・久米ひろしの現在とマスメディアの黄昏に響く言葉について、多角的な視点をご紹介しています。

テレビの第一線を退いた後、彼が最も深く愛したメディアは「声だけの世界」だった。TBSラジオで14年にわたり放送された『久米宏 ラジオなんですけど』は、彼の真骨頂を発揮する場だった。映像という制約から解き放たれ、より自由で、より辛辣に、社会の矛盾を突くトークは週末のリスナーを魅了し続けた。

しかし2020年6月、番組は突如として幕を下ろす。降板の理由について、彼は「自身の年齢による集中力の衰え」や「ラジオというメディアに対する美学」を挙げた。未練を残さず自ら身を引く美学。だらだらとマイクの前にしがみつくことを良しとしない決断は、彼らしいプライドの表れでもあった。言論の自由が狭まりつつある現代において、生放送で自らの言葉を発し続ける責任を、彼は誰よりも重く受け止めていたのだ。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。