世論が誤解しやすい最大のポイントは、巨額の資金が「現金としてタダで配られている」と思い込んでいる点にある。実際の政府開発援助(ODA)事業の内訳を見ると、国民が抱くイメージとは大きくかけ離れた実態が浮かび上がる。
支出の大部分を占めるのは、外務省が主導し独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じて実施される「円借款(有償資金協力)」だ。これは無料の贈与ではなく、相手国に低利かつ超長期で資金を貸し付け、元本と利息を何十年もかけて確実に回収する融資取引である。現金の即時「手渡し」ではなく、道路や港湾などのインフラ整備プロジェクトに紐づけられて段階的に執行される。純粋な無償資金協力や技術協力は全体のわずか一部に過ぎない。