なぜこのようなパッケージングが生まれたのか。その背景には、当時の設計思想と車両構造上の技術的限界が存在した。トヨタ自動車のクルマづくり改革を率いてきた豊田章男会長(当時社長)のもと、走りの質感とデザインの美しさを徹底追求する開発方針が推し進められていた。
レクサス・RXは、中型から大型車をカバーする「GA-Kプラットフォーム」を基盤に開発されている。もともと5人乗りとして最適化された高剛性骨格に対し、3列シートモデルを開発するにあたってホイールベース(前後輪間の距離)は変更されなかった。ボディ後部のオーバーハングを110mm延長し、リアガラスの傾斜角を立てることでシートスペースを力技で捻出した経緯がある。
スタイリングの美しさを崩さずに多人数乗車を実現するという高いハードルに挑んだ技術陣の苦心は察するに余りある。しかし、ホイールベースそのものを伸ばさなかった判断が、室内長と3列目の足元居住性に直接的な影響を与える結果となった。