しかし、順風満帆に見えたキャリアは突然の病によって中断を余儀なくされる。身体の自由が奪われ、先が見えない不安と恐怖に苛まれる中で、家族が果たした役割は絶大だった。特に父親は、医師とのやり取りや治療方針の選択において冷徹なまでに冷静さを保ち、不安に震える娘を揺るぎない態度で支えた。
病室で打ちひしがれる娘に対し、「今は何も考えず、体を治すことだけを考えればいい」「どんな道を選んでも、お前の人生だ」と言い切った言葉。それは、アナウンサーとしてのキャリアよりも、一人の人間としての生命と尊厳を最優先にした父親としての強い意志の表れだった。まさに一連の経過は、一編の濃厚なヒューマンドキュメンタリーを見ているかのような胸を打つ軌跡である。