『難波金融伝 ミナミの帝王 車』の歴史において、萬田銀次郎がステアリングを握った車両は複数存在します。しかし、シリーズ中盤から不動の象徴となったのが、メルセデス・ベンツのフラッグシップ「W140型Sクラス」をベースにしたブラバス仕様でした。
ドイツのボトロップに本拠を置くブラバスは、メルセデス専門の独立系チューナーとして世界最高峰の技術力を誇ります。AMGがメルセデス傘下の純正ハイパフォーマンス部門として洗練されていく一方で、ブラバスは「最高出力・最高速の極限追求」を掲げ、獰猛なまでのパワーと威圧的なスタイリングで裏社会や富裕層の頂点に君臨する男たちを魅了してきました。
劇中で萬田銀次郎の愛車として最も有名な個体は、1990年代の大型セダン「W140型」をベースに、ブラバス独自のフロントバンパー、サイドスカート、リアアンダースポイラー、そして代名詞である極太の「モノブロック」アルミホイールを履かせた仕様です。巨大なグリルとスクエアなシルエットは、まさに「ミナミの鬼」と恐れられた銀次郎の佇まいそのものでした。
シリーズ初期には先代のメルセデス・ベンツ W126系(560SELなど)も登場していましたが、W140型のブラバス仕様が登場して以降、その圧倒的な存在感がシリーズの代名詞として決定づけられました。後期の作品では流麗なスタイリングを持つW220型Sクラスのブラバス仕様や、クーペモデルのCLクラスなども劇中に姿を現し、時代の変遷とともに進化を続けました。