多くのユーザーが「段落設定で行間を1行にしたはずなのに、間隔が広すぎる」という違和感に直面します。この現象を引き起こすワードの行間が詰まらない決定的な理由は、Wordに内蔵された日本語組版特有の「行グリッド線」システムにあります。
Wordの日本語環境では、原稿用紙のようにあらかじめページ上に目に見えない「行グリッド線」が等間隔で敷かれています。フォントサイズを標準の10.5ポイントからわずか1ポイントでも拡大したり、特定のフォント(Meiryo UIや游明朝など)を適用したりすると、文字の上下の余白(アセンダ・ディセンダ)がグリッド線の枠をわずかにオーバーします。その結果、Wordの自動処理が働き、「文字が収まらないため2行分のグリッド幅を丸ごと占有する」という挙動を起こします。これが、ワードで行間が1行なのに広く空いてしまう根本原因です。
さらに、近年のWordバージョンでは、Enterキーを押した際に「段落」として認識され、標準で「段落後に0.5行〜8pt程度の余白」が自動挿入される仕様になっています。ユーザーが見た目上「単なる改行」のつもりでEnterを押していても、システム側は「新しい段落の開始」と判定し、余分な空間を強制的に空けてしまうのです。