歌舞伎に女性が出演できない真の理由|出雲阿国から梨園の現在を追う

歌舞伎に女性が出演できない真の理由|出雲阿国から梨園の現在を追う

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歌舞伎の現場において、女性はどの程度関わることができ、どのような壁が存在するのか。公式発表の制度規程および興行現場の実態データを整理したのが以下の比較です。

分野・役割参入条件および公式規定女性比率・現場データ編集部の客観的評価歌舞伎俳優(本興行)松竹および日本俳優協会公認の役者。血縁継承または研修修了が基本。0%(プロの歌舞伎本興行に出演する女性俳優は皆無)伝統継承と家制度の壁が最も厚く、事実上の女人禁制が不文律として維持。国立劇場 俳優研修生応募資格:中学校卒業以上、原則23歳以下の「男子」。0%(制度上の応募資格そのものが男性に限定)公的機関(独立行政法人日本芸術文化振興会)主催ながら、性別制限を維持。囃子方・竹本(演奏家)長唄、鳴物、義太夫などの音楽家。演奏団体ごとの入門規約による。約15〜25%(自主公演や一部の舞台裏で女性演奏家が活躍)黒御簾(くろみす)の陰で演奏する音楽面では女性の実力者が確実に増加傾向。日本舞踊の家元・舞踊家各流派(市川流、藤間流、花柳流など)の名跡継承および師範資格。50%超(師範・門弟の多くを女性が占める)歌舞伎舞踊と表裏一体のジャンルであり、女性が名跡を継承し頂点に立つ例も多数。劇場運営・制作・職人松竹社員採用、衣裳(松竹衣裳)、床山、小道具(高津装飾美術)など。40〜60%(企画制作部門や若手職人で女性比率が急増)歌舞伎座の興行を支える実務・舞台技術の現場では、女性の存在が不可欠。

表が示す通り、舞台の表面(板の上)と裏方(黒御簾・楽屋裏・制作)の間には、決定的な断絶線が存在します。興行を動かす実務や伝統工芸の分野では女性が主力を担っているにもかかわらず、本公演の俳優部門だけが完全な男子限定の砦として守られているのが現在の実態です。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。