「地元の優秀な中学生が、軒並み私立のスカウトに応じて去っていく」——。ある県立高校の監督は、絞り出すような声で現場の苦しい胸の内を明かす。学費のハードルが下がったことで、トレーニング施設や寮設備、特待生制度が充実した私立強豪校に人材が集約される流れには歯止めがかかっていない。
私立強豪が最新の弾道測定器や屋内練習場、専属栄養士による食事管理を導入する一方で、多くの公立校は老朽化したグラウンドを他部活と分け合い、ボールの補充すら保護者会の支援に頼るのが現状だ。この環境差が、スイングスピードや球速といった数字の差としてストレートに跳ね返ってくる。