ネット上の掲示板やSNS、地域コミュニティの声を取材すると、カタログスペックだけでは見えてこない「現場の生々しいリアル」が浮き彫りになります。
まず岡山駅からの接続です。JR岡山駅東口のバスターミナルからは、新岡山港行きの両備バス、通称「かもめバス」が運行しています。車両に可愛らしい水戸岡デザインのロゴが施され、旅気分を演出してくれる人気路線ですが、利用者が口を揃えて指摘するのが「朝夕の市内道路渋滞」です。岡山駅から港までは通常35〜40分程度で結ばれますが、平日の通勤帯や休日の観光ラッシュ時には岡山市街地を抜ける橋梁周辺で交通が滞り、50分以上を要する事例が散見されます。「フェリー出航の15分前に着くバスに乗ったら、港に着いた瞬間にタラップが上がっていた」という悲痛な声もあり、新幹線からの乗り継ぎ時は最低でも40分以上のバッファを組み込むのが現地ユーザーの共通認識です。
次に、マイカー派が直面する新岡山港駐車場混雑の現実です。新岡山港にはターミナル直結の有料駐車場(24時間最大料金設定あり・約500円〜700円程度)が整備されています。「小豆島へは車を渡さず、港に愛車を置いて人間だけで乗船し、島内ではバスやレンタサイクル、または現地レンタカーを使う」というパーク&ライド層が増加しています。しかし、ゴールデンウィークやお盆、秋の紅葉シーズンなどの連休中には、午前中の早い段階で港の駐車場が満車札止めになります。周辺に民間コインパーキングが豊富にある地域ではないため、駐車場難民となって出航を逃す利用者が毎年多発しているのが実情です。
一方で、船内環境に対する満足度は極めて高水準を維持しています。「おりんぴあどりーむのデッキで海風を浴びながら食べるアイスや軽食が最高」「船内のキッズスペースのおかげで小さな子どもが一度もぐずらずに小豆島へ着けた」といった家族層からの絶賛の声が目立ちます。短距離フェリーながら、旅のプロローグとしての完成度は国内トップクラスと言えます。