「うちの猫が夜の2時に突然、部屋の壁を駆け登り始めた」——ソーシャルメディアに寄せられる悲鳴のような投稿は絶えない。かつては単なる「夜間運動破裂(Zoomies)」や、排泄後のテンション上昇(通称・トイレハイ)と一括りにされていた。しかし最新の研究は、それらが単なる運動不足の解消にとどまらないことを指し示している。
猫科動物の体内時計は昼夜行性、特に明け方と夕暮れ時に活動量がピークに達する「薄暮性」の傾向が強い。室内飼育が定着した生活環境において、人工的な照明や人間の生活サイクルと交差した瞬間、脳内のドパミンが爆発的に分泌されるトリガーが存在するという。野性時代の狩猟本能が、室内という限定された空間で一気にスパークする現象、それこそが現代の居住空間が生み出した副産物なのだ。