劇中で描かれる榛村大和のパーソナリティや犯行手口には、近代犯罪史に刻まれた複数の凶悪シリアルキラーの類型が巧みに織り込まれています。
「好青年・篤志家を装って周囲の信頼を完全に勝ち取る」という手口は、アメリカのテッド・バンディや、日本国内で発生した座間9人殺害事件、さらには北九州連続監禁殺人事件における主犯の心理誘導を彷彿とさせます。榛村は決して暴力のみで相手を従わせるのではなく、相手が抱える「誰にも理解されていない孤独や劣等感」を敏感に見抜き、無条件の全肯定を与えることで依存関係を構築します。
社会学・犯罪心理学の観点から見ると、榛村の行動原理は「心理的境界線(バウンダリー)の完全な破壊」に基づいています。対象者に「世界で自分だけが君の真の理解者だ」と錯覚させ、家族や社会との心理的絆を意図的に断絶させて孤立に追い込む手法は、カルト宗教のマインドコントロールや重篤なモラルハラスメントの構造と完全に一致しています。