2006年から2007年にかけて日本テレビ系で全47話が放送されたテレビアニメ『NANA』では、実写映画とは異なるアプローチで劇中音楽の完全再現が試みられました。劇中のセリフを話す声優とは別に、「歌唱キャスト」として実力派アーティストを起用する「inspi'(インスピレーション)」プロジェクトが導入されたのです。
ブラストのボーカル・大崎ナナの歌唱を担当したのが土屋アンナ(ANNA TSUCHIYA inspi' NANA (BLACK STONES))です。第1クールオープニングテーマとなった「rose」は、土屋アンナのハスキーで野太いシャウトと重厚なガレージロックサウンドが炸裂し、原作漫画から抜け出してきたかのようなパンクロックの生々しさを視聴者に叩きつけました。その後もアップテンポでキャッチーな「Lucy」や、切々たる心情を歌い上げる名バラード「黒い涙」など、ナナの剥き出しの感情を歌に乗せて届けました。
対するトラネスのボーカル・芹澤レイラの歌唱を担当したのは、日米ハーフのシンガーソングライターOLIVIA(OLIVIA inspi' REIRA (TRAPNEST))です。第1クールエンディングテーマ「a little pain」は、美しくも孤独なレイラの内面を描いた繊細なミディアムナンバーで、OLIVIAの唯一無二のハイトーンと幻想的なファルセットが聴く者を圧倒しました。続く「Wish」や「Shadow of Love」でも、トラネスの持つ洗練された都会的メロディと危うい情緒を完璧に表現し尽くしています。