世界的なメガヒットを連発するドレイクが日本に来ない背景には、単なるスケジュール調整以上の「興行ビジネスとしての構造的なハードル」が存在します。国内外のライブプロモーターが直面している主な要因は以下の通りです。
第一に挙げられるのが、1公演あたり数億円から数十億円規模とも囁かれる出演ギャラの高額化です。北米や欧州のスタジアムを数万人規模で埋め尽くすドレイクの興行規模は、世界のポップミュージック界でもトップクラスに位置します。円安が進行した現在の日本の興行環境において、この莫大な招聘費用をチケット収入だけで回収することは極めて困難な水準に達しています。
第二の障壁は、規格外の巨大ステージセットと会場の構造条件です。ドレイクの近年のワールドツアーでは、アリーナの中央に巨大な特設ステージを組み、天井から巨大な飛行物体や最新のアニメトロニクスを吊り下げるなど、極めて複雑かつ重量のある舞台装置が使用されます。日本の一般的なアリーナ会場では天井耐荷重や設営日数の制限によって同等の演出を再現できないケースが多く、演出規模を縮小しない限り開催できないという技術的な制約が立ちはだかります。