この祭礼を一躍世界的な存在へと押し上げたのが、他に類を見ない「山車行事」の造形美だ。国指定重要無形民俗文化財であり、ユネスコ(UNESCO)無形文化遺産にも登録された「山車・屋台・花鉾行事」を構成する極めて重要な遺産である。市内27の山車組が毎年テーマを決め、神話や民話、歌舞伎の名場面を完全な手作業で立体化する。
驚くべきはその緻密なカラクリ機構にある。電線や信号機を避けるために折りたたまれた山車が、広場に入ると油圧シリンダーやウインチを駆使して一気にせり出し、主舞台が劇的に展開する。発泡スチロールや木材、和紙を幾重にも重ねた彫刻的な人形に、電飾とスモークが絡み合う様は、まさに動く現代アートと呼ぶにふさわしい迫力だ。