アニメーション制作を手掛けるスタジオバインドの驚異的なクラフトマンシップは、ロキシーというキャラクターを次元の異なる高みへと押し上げた。風になびく三つ編みの繊細な揺れ、魔術詠唱時の緊迫した視線、ふとした瞬間にこぼれる照れ笑い。細部に宿る圧倒的な作画密度が、彼女の息遣いを生々しくスクリーンに宿らせる。
そして、声優・小原好美の名演が作品の完成度を決定づけた。感情を表に出しすぎない淡々としたトーンの中に、確かな慈愛と芯の強さ、そして時折のぞく少女のような甘やかさを繊細に織り交ぜる。声のトーンひとつでキャラクターの年輪と心の揺らぎを表現し切る技量は、国内外の批評家からも極めて高い評価を得ている。