専門店の海老天が美しくまっすぐに揚がっているのに対し、家庭で作ると弓なりに曲がってしまう最大の理由は、エビの腹側にある屈筋(筋肉)が加熱によって急激に縮むためです。エビの筋肉は熱が入ると約30%以上収縮する性質があり、背側よりも腹側の筋肉が強いため、内側に引っ張られて丸まってしまいます。
これを防ぎ、誰でもまっすぐに揚げるための手順は以下の通りです。
- 背ワタの除去:殻を剥いて尾の1節を残した状態にし、背の第2〜3節の間に竹串を刺して背ワタを静かに引き抜く。臭みやジャリ感を完全に取り除きます。
- 腹側の筋切り:エビの腹側を上に向け、斜め45度の角度で深さ3分の1程度の切り込みを4〜5箇所等間隔に入れます。深すぎると身が千切れるため、刃先をコントロールします。
- 筋伸ばし(関節の破壊):エビをまな板にうつ伏せに置き、背側から両手の親指で腹側の切り込み部分を上から押し付けます。指先で「プチッ」「プチッ」と繊維が切れる感覚を確かめながら、頭側から尾にかけて順番に伸ばしていきます。
この下処理を行うことで、加熱時の張力が消失し、揚げ油の中でもピンとまっすぐな形状を維持できるようになります。